地下鉄円山公園駅の4番出口の階段を上ると、途中に「BOYS BE」という喫茶店があった。私が知る限りずっとその場所に、当たり前に存在していた。
同店が30年の歴史に幕を下ろすと知ったのは、まだ雪が残るころであったろうか。
最後に訪れた日、前マスターからレクチャーを受ける方がいて、ぼんやりと眺めていたのだけれど、その人こそこの場所で新しくお店をオープンさせた店主だった。
外光がほとんど差さないこの場所はいつ訪れてもどこか隠れ家めいた落ち着きがあって、すっぽりと包み込んでくれるようなぬくもりがある。
使い込まれたテーブルとカウンター、趣きのある床板はこの場所紡いできた時間の流れを感じさせる。カウンターの奥には磁器のカップが並び、まさに「街の喫茶店」といったたたずまいだ。
場所柄、訪れる人の世代や性別も幅広く、開店の噂を聞きつけたと思しき若い女性グループや、以前のお店の常連であったような雰囲気の年代の方もちらほら。
最近では自家製のスイーツを出すカフェや喫茶店は珍しくないけれど、このお店のものはひと味違う。店名に掲げた「菓子喫茶」の名前にふさわしい本格的な
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