第11回 「石狩尚古社資料館」 ―砂丘に埋もれた石狩俳壇の足跡―
「北のミュージアム散歩」は、道新文化センターのノンフィクション作家を育成する「一道塾」(主宰・合田一道)の塾生が書いた作品を連載するものです。道内にある博物館、郷土歴史館、資料館などを回り、ミュージアムの特色を紹介しながら、ミュージアムの魅力やその存在する意味を問いかけます。
第11回は、石狩市の「石狩尚古社資料館」です。ぜひご愛読ください。
(合田一道)
■第11回 「石狩尚古社資料館」 ―砂丘に埋もれた石狩俳壇の足跡―
石狩尚古社資料館
吹き上げる川風に乗ってカモメが飛んで来た。私設博物館資料館「石狩尚古社」は、目の前に石狩川が流れる石狩市本町地区にある。この地区はかつて鮭漁で栄え、周辺には当時の名残を感じさせる商店や神社など歴史的建造物が点在する。
2階建て民家風の資料館の玄関で靴を脱ぎ、足を踏み入れると正面の展示ケースを始め、壁一面の掛け軸、短冊、文献資料、書籍などが所狭しと並んでいて目を見張る。
明治から昭和初期にかけて繁盛した中島商店の店主が残した俳句資料と収集した書画だ。
「今でいうと、太物(反物)を中心に何でも売っている百貨店のような店だったのですよ」
館主の
コメント